こんちわFree3sの中の人です。
前回のミニチュア写真に続き、写真加工の第2段。
普通の写真をPhotoshopを使って色褪せた写真にする方法を解説します!
この加工技術も写真アプリなんかで普通に使えちゃったりしますが、ポイントを抑えればphotoshopでも簡単にできますので、ぜひ挑戦してください!
色褪せた写真に見せるポイント
印画紙に印刷した写真は年を重ねる事に色褪せていきます。80年生まれの僕の子供の頃の写真は白い枠のついた写真でした。たまにアルバムを見ては
「あ〜こんな可愛いかったのになぁ・・・」
と親からも嫁からも言われる始末。

↑坊ちゃん刈りがよく似合うお子さんですね。今では完全なる中年ですが。
話が逸れました
色褪せのポイント
要は現代のデジカメ写真でも色褪せのポイントを加えてあげれば色褪せたアンティークな写真ができる訳です。
ポイントを簡単にまとめました。
- 白い所が黄ばんでいる(写真の枠、空の雲とか)
- 黒い所が薄くなる(車のタイヤ、影とかが薄くなる)
- 鮮やかな色が暗くなる(赤いりんごが美味しくなさそな色になる)
とりあえず、このポイントを頭に入れつつ加工をしていこうとおもいます。
本日もAC写真さんより適当な写真を使わせてもらいます。
公園に置いてある自転車の写真です。
日常っぽいのと、説明しやすそうなのでこの写真を加工していきます。
メリハリを無くす
デジカメの写真と色褪せた昔の写真を比べた時に、何が違うのか?何が違うから褪せたと思うのか?
ちょっと専門的な話になりますが、デジカメの写真はRGBカラーで表現され、色の表現幅が広く、人間が目で見ているものに近い状態に表現できます。CMYKカラーはRGBカラーに比べて色表現が乏しく、印刷をする時にCMYKで表現できない場合は特色を使います。
写真も今では使われなくなったネガフィルムはデジカメが普及する直前にはかなり表現力も高まったネガフィルムになっていましたが、30年前くらいのネガフィルムはそこまでの精度は無かったので、今回、画像加工をするにあたり、まずは色の表現力を抑える為にRGBカラーをCMYKカラーにして作業を行います。
それではやっていきます。
メニュー→イメージ→モード→CMYKカラーに。
すると、発色のよかったピンクの自転車や、鮮やかだった葉っぱが少しくすんだ色になるとおもいます。
次に全体的に少しぼかします。
メニュー→フィルター→ぼかし→ぼかし(ガウス)

ぼかしの適用量ですが、使用する写真の解像度にもよるのであくまで、↓の数値はあまり参考にならないとおもいます。(僕が使用した画像サイズはB5程度 200dpiに自分でリサイズしたもの)
目安はエッジが効いている部分が若干潰れる感じでいいかとおもいます。今回使用した写真では自転車のカゴの網目がちょっと潰れる感じにしました。大きい写真なら半径3pxとになると思います。

色を褪せさせます。
最初のポイントで挙げた
- 白い所が黄ばんでいる(写真の枠、空の雲とか)
- 黒い所が薄くなる(車のタイヤ、影とかが薄くなる)
- 鮮やかな色が暗くなる(赤いりんごが美味しくなさそな色になる)
をやっていきます。
このポイントで最終の仕上がりの良し悪しが決まります。
メニュー→イメージ→色調補正 →トーンカーブ

↓のようトーンカーブを調整しました。

わかりにくいですが、簡単に説明していきます。
シアン: 葉っぱの青々しさを抑える為にシャドウ側(濃い色の方)から20%ほど色を下げました。
マゼンタ:ピンクの自転車の発色を抑える為にシャドウ側から25%ほど色を下げ、ライト側(薄い色の方)は写真の白い部分に色味を入れる為、5%ほど色を上げています。褪せた写真は全体的に赤っぽい事が多いので、中間点も少し色を上げています。
イエロー:ライト側はマゼンタと同じく白い部分に色味を入れる為にマゼンタよりも多めの10%色を上げています。中間点はちょっと下げています。
ブラック:黒い部分が強いと褪せて見えないので、ブラックはシャドウ側から60%とかなり多めに色を下げています。中間点も併せてちょっと下げています。
CMYK全体:シャドウ側を10%ほど下げています。
個人的にはphotoshopの色調整で一番好きなのはトーンカーブです。トーンカーブの使い方はいつか触れたいとおもいます。
トーンカーブで色を補正したらそのまま特定色域の選択で色の微調整をします。
メニュー→イメージ→色調補正→特定色域の選択

特定色域の選択は写真の中にある色味の成分を調整する事ができるので、赤い自転車をもっと赤くしたり、赤い自転車から赤の成分を抜いて白っぽくしたりする事ができます。
この内容を説明するのは非常に面倒なので、こんな感じにしてください。

と言うのはあまりにも無責任なのでポイントを何点か
レッド系(子供の自転車):マゼンタをマイナス、イエローをプラス
イエロー系(葉っぱの光の当たっている部分:シアンをマイナス
グリーン系(葉っぱ):シアンをマイナス、イエローを多めにプラス、マゼンタ少しプラス
シアン系(自転車のフレーム、シルバーに反映):シアンをマイナス、マゼンタとイエローをプラス
ブルー系(草むらの網、あじさいの花?):シアンをマイナス、マゼンタとイエローをプラス
マゼンタ系(子供の自転車):マゼンタをマイナス:イエローをプラス
白色系(明るい所):イエローをプラス、マゼンタをちょっとプラス
中間色系:特になし
ブラック系(タイヤ、草や木の影):ブラックを多めにマイナス、シアンマイナス、マゼンタプラス、イエローをちょっとプラス
スライダーのだいたい動きはこんな感じです。
と言う事でひとまずこれで完成です!

見事に褪せました。
おまけ
これでも十分褪せたと思うんですけど、実際に褪せている写真は汚れてたりして味があるものだって思う方必見です!
もう一手間加えるといい感じの古くて褪せた写真が作れます。
まずはこんな感じの画像を探してください。

こちらのサイト(オシャレでつかえる紙テクスチャ、40枚そろえました。)で紹介されていたのでお借りしました。
もうおわかりですね!?
加工した写真にテクスチャを重ねて自然な汚れや折れを入れてしまうのです!
先ほど加工した写真の上に、このテクスチャを重ねてやりましょう。
「ポンっと!」

テクスチャを全面に配置したらレイヤーの描画モードをソフトライトにします。

「ジャーン!」

ぱっと見はさっきとそんなに変わらないんですが、よく見ると汚れがあって自然な色褪せた古い写真ができましたー。
まとめ
と言う事で、デジカメの写真はどんどん解像度が上がり、誰でも綺麗な写真が撮れる時代になったからこそ、褪せた写真に魅力を感じる今日この頃。
画像加工をする時に「どんな風にしたいか?」と思ったら、まずは参考になるものを探して、色を補正する場合は参考にしている画像をよく理解する事が大切です。
カメラアプリの方が簡単にそれっぽく作れちゃうけど、Photoshopだと簡単に好きな写真で作れちゃうので、また試してみてくださーい。